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願魂

願魂

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願魂とは

古来より大和の国には八百萬の神がいるとされ、自然や道具、言葉にも魂が宿っていると云われています。
八百萬の魂は民を見守り、時には戒め、幸をもたらします。
「願魂」は数多の祈りや願いをもとに文様を創作し、熟練の蜻蛉玉職人によって願いを込めてひとつひとつ丹念に造形した手作りのガラス工芸コレクションです。

願魂はノイチオリジナルの蜻蛉玉(とんぼだま)です。

蜻蛉(とんぼ)玉とは

とんぼ玉とは、ガラス素材で穴があいている玉の総称です。
この呼び名は日本特有のもので、海外ではGlass Beads と呼ばれています。江戸時代に装飾品として大衆に人気を博した美しいガラスの玉は、とんぼ玉、雁木玉、筋玉、更紗玉という風にデザインによって呼び名が異なっていました。
とんぼ玉は、瑠璃色や白色の下地に赤い花柄模様を散らした玉で、あたかも蜻蛉の複眼のように美しい玉だったようです。そのひときわ美しかったとんぼ玉が、これらのガラス玉を呼ぶ総称として使われだしたといわれています。
その他、とんぼ玉は日本各地の古墳から出土することが多い為、英語のお墓(=Tomb【トンブ】)を表すトンブ玉が転じてトンボ玉に変わったという説などもあります。
因みに日本で作られた最初のとんぼ玉はガラスの勾玉で、日本最古の鋳型は、山口県下七見遺跡(弥生時代中期)から出土しています。勾玉は三種の神器の一つに数えられ、厄除けとして重宝されてきました。

蜻蛉(とんぼ)玉の歴史

紀元前30世紀から続く歴史

世界最古のとんぼ玉は、紀元前30世紀のシリアの遺跡や紀元前26世紀のエジプトの遺跡、紀元前25世紀のメソポタミアの遺跡から発掘されており、現代に至るまで約3千年以上に渡って作り続けられています。

メソポタミアでは古代バビロニア王国の紀元前16世紀頃から、エジプトでは第18王朝時代の紀元前15世紀頃からとんぼ玉作りが広がっていきました。

その後、プトレマイオス時代からローマ帝国初期時代(紀元前300年頃~紀元後150年頃)にかけて、とんぼ玉作りの最盛期を迎え、人面とんぼ玉や緻密でカラフルなモザイク玉など、様々な形や文様を施したとんぼ玉が生み出されていくことになります。

このように地中海の東南岸地域で古くから生産され続けたとんぼ玉は、ヨーロッパはもとより、交易品としてシルクロードや海の道を通して世界中に広がって行きました。

現代では各地で発掘されたとんぼ玉の成分を分析すると、その出所を追跡することが可能になってきました。その分析結果は交易や文化の拡大経路を推測することに役立っています。

古代から繁栄を続けていたとんぼ玉生産も、15世紀頃から衰退への道を歩みだしそれは16世紀後半まで続いていきます。
各地にあった工房の多くは閉ざされ、11世紀頃からとんぼ玉作りが盛んに行われていたヴェネチアも、17世紀にはガラス製品の市場をボヘミアングラスに奪われ、とんぼ玉の生産数量も激減していました。
オリエントの珍しい絹織物や工芸品をヨーロッパの市場に販売することで巨万の富を築いていたヴェネチア商人でしたが、スペインやポルトガル、更にはオランダやイギリスの台頭により、ヨーロッパ市場での利益を得ることが難しくなっていました。
そこで古来よりの技術を生かして開発されたのが、アフリカ大陸交易用のとんぼ玉です。ローマ時代に培われたミルフィオリガラス(モザイク文様ガラス)の技術を再び利用して作られたヴェネチアのとんぼ玉は、多くのアフリカの財宝や奴隷と交換されることになります。
さらに、ヴェネチアの盛隆に感化されたオランダでも同様のとんぼ玉作りが再開され、東インド会社や西インド会社を通じ、とんぼ玉が貿易品の主役として再注目されることになったのです。
その後、現代に至るまで世界中で作られているとんぼ玉は、それぞれの地域の特色や技法が色濃く継承され続けています。

日本の江戸時代(17世紀)に出島を通して入ってきたとんぼ玉はオランダのもので、このとんぼ玉を基にその後、日本各地で繊細な技術を誇る、とんぼ玉職人が生まれることになります。
世界的にはネックレスとして使われることの多いとんぼ玉も、日本では簪や帯留、根付や工芸品飾りの一部として使われてきました。その美しさからか験担ぎ(げんかつぎ)の一品として重宝していた人もいたそうです。

機械では生産出来ないとんぼ玉は、その一玉一玉が精巧な手作り工芸品。今この瞬間も、世界の何処かで誰かの為の一玉が生み出されていることでしょう。

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